Lei Cha 擂茶
客家(ハッカ)発、ベジタリアンのお茶漬け
野菜不足を感じたときに。オンリーベジ料理
インゲン豆、四角豆、ピーナッツ、豆腐など野菜や豆類をごはんにのせ、そこに緑色の汁(写真左奥)を注いで食べる客家料理です。「マレーシア版お茶漬け」とよくいわれますが、お茶としてたとえられている緑汁の味は、けっこう強烈。ベースの味はミントで、そこにバジルなどの生ハーブがすり潰されています。野菜やピーナッツ、胡麻でつくるので、西洋のスープのような肉系のコクはありませんが、お茶よりはかなり味が濃く、塩気も効いています。それに、今でこそ慣れましたが、ごはんが緑に染まるのはいささか奇妙で、もちろん食欲をそそる色ではありません。しかし、このルイ茶には熱烈なファンがいて、わたしもそのひとり。具が野菜と豆類のみというヘルシーなところ、ピーナッツ、四角豆など多種の味と食感の広がり、さらに「ルイ茶が好き」という通っぽさも理由かと。ルイ茶の緑汁をパウダーにしたルイ茶ドリンク(これは台湾の甘いルイ茶)もあり、在馬時代は愛飲しておりました。
Memo
屋台のルイ茶は、写真のように具がご飯の上にのった状態で運ばれてくる。それに対して、客家レストランで提供されている高級ルイ茶は、具がそれぞれ別皿で運ばれてくる。客家系の家庭では宴会や正月に家族全員で作り、15種もの具を用意することも。また、お茶をすり潰すすりこぎは伝統的にはグアバの木を使用。すり減っても食べられるし、香りがよいとされる。ルーツは、広東省の河婆(ホーポー)地方で、むかし戦の前にさまざまな雑穀をすり潰したお茶(ルイ茶)を飲んだところ勝利したので縁起の良い料理として始まったとか。擂にはすり潰すだけでなく、太鼓をうつ、という意味もある。台湾にもルイ茶があり、こちらは甘いデザートのようなお茶。
Photo
ククアラルンプール、クポンのホーカーストア、4リンギット、2009年
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